盆栽の中でも桜は特別です。日本人が愛してやまないものですし、花をつけ、葉に変わり、落葉するという特徴から、より四季を感じられるものだからです。
桜は大好き、でも毎年なかなかお花見に行けないという方は、盆栽で桜を楽しむのはいかがでしょう。また、植物好きの方にも喜んでもらえるはずですのでプレゼントにも最適です。
今回は、桜の盆栽の楽しみ方をご説明しますので、手入れの方法など「桜ワールド」を満喫するときにお役立てください。
盆栽の桜は「楽しみ方満載」
手のひらに乗りそうなミニ盆栽から、しっかりと幹の力強さを感じさせる大きめの盆栽まで手に入る桜。いずれにせよ、上手に育てれば、一番の楽しみである花も堪能できます。
花が散れば葉桜になります。みずみずしい新緑、そしてしっかりとした濃い緑へ、そのうち紅葉をした葉はいずれ落葉ち幹と枝だけになり…。日に日に愛でるポイントが移り変わっていくのが、桜の面白みではないでしょうか。
中には、桜の実(さくらんぼ)がつく品種もありますので、より楽しみが増えるはずです。
桜の盆栽を育てるうえでの注意点
植物大好きな方ならご存じかもしれませんが、桜は「バラ科」です。バラ科の植物は害虫に好まれやすいこと、水が大好きで家を長く空けがちな方にとって育てにくいなど、注意点が少し多めです。
日当たり/風通し
そもそも桜は一年中外で成長することはご存じですね。つまり、日当たりを好み、風通しのよい場所で育てる樹木です。盆栽として育てるときも、日当たりや風通しを確保できる窓際が理想的です。
しかしながら、盆栽の桜には、真夏の西日や真冬に起きる凍土は酷というものです。さすがに室内で土が凍ることはないでしょうが、もしも庭先に置いて楽しむときには軒下に避難させる、根元に腐葉土をかけるなどして、防寒対策とします。
剪定
剪定は、成長著しい花の後です。新しい芽が出てきたとき、その部分に枝は不要と思ったら、芽がある程度育った後に少し根元を残してカットします。カットした部分から腐食してしまうこともありますので、
- 消毒したハサミを使う
- 枝に対し垂直にカットし、園芸用防腐剤を塗る
といった工夫をします。
植え替え
小さいままの桜を楽しみたいときは別ですが、やはりある程度成長させ、花や葉を多くして楽しみたいものです。
そのようなときは、2~3年おきに一回り大きな鉢に植え替えます。植え替えに適した時期は秋。9月頃です。何度も植え替えをしてしまうと、植物の性質上「大きくなろう」と根を張ろうとします。根にばかり栄養が回ってしまい、毎年の楽しみである花芽がつきにくくなってしまいますので注意しましょう。
水やり
桜はとても水が好きです。とはいえ、鉢皿に水が残っていると根腐れを起こしてしまいますので、「土が乾いたら水やりをする」、「鉢の底から水がしたたり落ちるまで水を与える」「鉢皿に落ちた水はこまめにすてる」ことを徹底します。
特に花が咲く頃、葉が茂る頃は多くの水を必要とします。1日1度、または2度、水をあげてください。
もし、この頃に長期間家を空けなければならないときは、どなたか知人に託すか、定期的に水やりをしてくれる園芸グッズを利用してしのぎましょう。
施肥
肥料は花が落ちた後に与えます。これを「お礼肥」と呼び、開花で疲れた桜をねぎらう意味があります。「花が咲いたから疲れたね」と覚えれば、施肥のタイミングを見失うことはないでしょう。
この頃には、残った花がらも摘んでおきます。
虫対策
バラ科の桜を好む害虫はいくつかあります。アブラムシやカイガラムシが代表的なものです。
見つけたらすぐに駆除、が基本ですが、季節的には春~秋が中心です。できれば虫がつく前に予防できればベスト。園芸用品店で、桜に使える殺虫剤を買い求めてください。
盆栽の桜、どんな種類がある?
盆栽向けの桜にも、いくつかの品種があります。それぞれ風情が違いますので、好みの桜を探してみてください。
一才桜(旭山桜)
樹齢がまだ若いうちに花を咲かせることで「一才桜」とも呼ばれています。樹木の背丈が低いのに、八重の立派な花を咲かせる驚きの品種で、人気が高いものです。
盆栽:一才桜*【春に開花】御殿場桜
その名の通り、静岡県御殿場周辺で古くから庭木として親しまれてきた桜です。一重咲きの淡いピンク(ときに白)がどことなくはかなげで、かわいらしいイメージです。
盆栽桜 御殿場さくら ピンクの一重咲きが 春にかわいいサクラが楽しめます。 さくら盆栽でお花見しだれ桜
まるで風になびくように枝が下向きになるしだれ桜は、とても風情があります。一般的に花は白っぽく、うつむき加減の少女のよう。
庭木:桜・しだれ富士桜(一重しだれ桜)佐川急便発送まとめ
四季を通して葉や花を楽しみたい方におすすめしたいのが、桜の盆栽です。他にも花の咲く木の盆栽はありますが、日本人にとって桜は特別なものではないでしょうか。
多忙でなかなかお花見に行けない方、ご高齢で遠出が難しい方、そもそも植物が大好きな方…多くの方が好む桜は、室内でも季節を直に感じられるうれしいものです。盆栽というかたちで、手元に置いておくのも、きっと楽しいことでしょう。