盆栽の値段を決めるものは何?盆栽を始めたい方に知ってほしいこと

高級な盆栽

盆栽には、手のひらに乗るような小さな鉢のものから、大人数人で運ばなければならないような大型のものまであります。大きさにより値段が変わるのだろう…と、なんとなくイメージはできますが、果たしてサイズだけで値段が決まるのでしょうか。

今回は、盆栽の値段の決まり方や、驚きの価格をつけた名品など、盆栽の値段にまつわるお話をしましょう。

目次

盆栽の値段は「これまでの手間」「樹木の種類」で決まる

盆栽だけでなく、さまざまなモノの値段は

  • 材料費
  • 手間代(人件費)

で決まっています。ミニ盆栽ならば材料費も手間代も少なくすみますので安価ですし、既にしっかり出来上がった立派な盆栽ならば高い値段がついているのも当然のこと、といえるでしょう。

値段の高い盆栽は、どこが違う?

まさしく、自然の中で長年生きてきたようなイメージの立派な盆栽は、値段が高いものです。価値ある盆栽は、

  • 貴重な品種(入手しにくい樹種/育てづらい樹種)
  • 何十年、何百年という樹齢
  • 盆栽として仕立てられ、世話された間の手間代
  • 何度も繰り返される、植え替えに見合った鉢の費用

など、多くの面でコストがかかっています。

もちろん、その「芸術性」がその盆栽に付加価値を与えています。著名な盆栽職人が手掛けたものであることもその価値のひとつでしょう。

値段の高い盆栽は、その樹形になるまで、そしてその大きさになるまでに多くの人の手を経ています。高価になるのも当然、といえるでしょう。

値段の安い盆栽は?

近年、「ミニ盆栽」と呼ばれる手ごろな盆栽が手に入るようになりました。値段の安い盆栽は、ほとんどが接ぎ木や挿し木により仕立てられたものです。接ぎ木や挿し木は、多くの苗を作ることができますし、実から育てるよりも成長が早いというメリットがあるのです。

一方、実から育てる盆栽は、たとえ「ミニ盆栽」と呼んでもよい小さなサイズにまで育つまで、品種にはよりますが数年かかります。

値段の安い盆栽は、そのかわいらしさが“ウリ”ではありますが、これからどう仕立てたいのか、それともその小ささのまま育てたいのかで手の入れ方が変わってきます。つまり、値段の高い盆栽(ほぼ完成品)とは違い、「これから育てていくもの」、といえるでしょう

盆栽の値段、最高値は「1億円」

ある深夜番組で、若手有名タレントが「欲しい」といった松の盆栽。樹齢は1,000年とされ、吉田茂などの政財界著名人が過去の所有者だったという逸品は、なんと「1億円」の値段がついていたのだそう。

海外の富裕層にも近年人気の盆栽ですので、もしかするともっと高い値段がつけられているものもあるはずです。

https://www.j-cast.com/tv/2016/05/11266442.html

値段の高い盆栽にはどんな特徴がある?

樹木の種類によりますが、高価な盆栽は次のようなポイントが見どころです。

  • 根がしっかり張っていて、「生命力」を感じさせる
  • 幹がどっしりとしていて、「フォルム」の基本となる
  • 葉がきちんと手入れされていて、「バランス」が良いと思わせる

いずれも、しっかりとした仕立てがなせる美しさです。樹木そのものが成長する段階で枝を“デザイン”したり、不要と思われる枝(忌枝/いみえだ)をカットしたりと、日々の世話が重要なのはすぐにご理解いただけるのではないでしょうか

ミニ盆栽の値段は?

では、「盆栽入門編」として人気のミニ盆栽は、いくら位からあるのでしょうか。樹木の種類やサイズ、鉢の品質などによりますが、数千円から手に入ります。意外と安価ですので、テーブルの上にちょっとした“自然”を取り入れたいときや、今後本格的に盆栽を趣味にしたい方におすすめです。

黒松/3,000円~

ミニ盆栽 黒松の寄せ植え(松ぼっくり付き)

松ぼっくりから伸びる枝がチャーミングな黒松は、松の盆栽の基本である「葉の手入れ」を体験するのにもってこいです。黒松/3,000円~

梅/4,000円~

小品盆栽:紅白長寿梅寄せ植え

縁起物の梅は、花も楽しめる盆栽のうちのひとつです。松同様、枝ぶりを楽しむ盆栽ですので、「剪定」を体験するのによいでしょう。

桜/4,000円~

桜盆栽:ミニ旭山桜

日本人が愛してやまない桜も、盆栽で楽しむことができます。花が落ちた後の「施肥」「水やり」の管理が重要ですので、日々観察しながら手入れをしたい方向けかもしれません。

りんご/8,000円~

盆栽:姫りんご寄せA*bonsai

緑の葉、白っぽい花が咲けばその後結実と、季節ごとに顔を変えるりんご。必ず実をつけさせたいなら、受粉という手間が必要ですが、お子さんのいらっしゃるご家庭なら「食育」の一環として手入れするのもひとつの楽しみ方。

もみじ/3,000円~

小品盆栽:清姫もみじ(陶器鉢)

新緑、濃い緑、秋には紅葉、そして落葉…。葉が1枚1枚色を変え、季節を教えてくれるのがもみじです。夏場に水やりを怠ると、秋にうまく葉が色づきませんので、「自宅での紅葉狩り」を狙うなら、こまめな世話をしてください。

まとめ

盆栽の値段は、おおむね「それまでにかかった手間暇や肥料や鉢などの実費」、そして「芸術性の高さ」で決まる、といっても言い過ぎではありません。実際に、著名な盆栽職人の“作品”はとても高価です。

また、4年に1度の「世界盆栽大会」の開催地は日本だけではなく、世界中を巡回していて、今や盆栽は、「BONSAI」として世界に愛好家がいるのです。本当に価値あるものに高値が付くのは、当たり前のことでしょう。

しかし、今は「かわいいBONSAI」も安価で手に入ります。これから世話をして好みの樹形に育てるもよし、そのままかわいらしいサイズをキープするもよしと、楽しみ方は幅広いのです。

もし、あなたが今、植物に興味を持ち始めているのなら、盆栽も植物を楽しむひとつの方法としてご記憶ください。今や盆栽は、「値段が高い」「年寄りくさい」ものではないのです。

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