あなたは今、次のようなことで悩んでいませんか?
「盆栽を買ってみたけど、植え替え用の土をどうすればいいかわからない…」
「株分けしてもらった木があるけど、盆栽にするための土選びはどうすればいいの…」
今回は、盆栽の土についてお悩みの方に、土の種類のご紹介や、樹種に適した用土の作り方についてご説明します。
盆栽の育て方に大事な土選びの参考にしてください!
盆栽用土に使う土の種類は意外に多い
盆栽に使う土には、とても多くの種類があります。
そもそも、盆栽にとっての土とは、木を支えるものであると同時に、根から水分や酸素を取り入れるとても大事なもの。
また、樹種に適した用土(種類)も考慮しなければなりませんので、多くの種類があるのです。
では、代表的ないくつかの盆栽用土をご紹介しましょう。
- 赤玉土
- 鹿沼土
- 桐生砂
- 黒土
- 腐葉土
それぞれの特徴や役割についてご説明します。
1.赤玉土
赤玉土の多くは、関東ローム層から出る赤土を乾燥させたものです。
文字通り、コロコロとした玉のような形状で、ふるいにかけられ粒の大きさで分類、販売されています。
- 弱酸性
- 適度な保水性
- 適度な排水性
赤玉土は、上記の特徴を持っています。
この性質をより高めるために、赤玉土を焼き固め、硬質赤玉土として販売されていることがあります。
2.鹿沼土
鹿沼土も、赤玉土と同様、主に関東ローム層から採取されるもので、軽石のひとつです。
赤玉土と比べ、粒が崩れにくいという面を持っています。
- 酸性度高め
- 適度な保水性
- やや高い排水性
鹿沼土は、赤玉土と似た性質を示します。
市販されている鹿沼土は、赤玉土とは違い、大粒のものもあります。
ですが、多孔質で崩れやすい面もあり、いったん崩れてしまうと赤玉土よりも保水性は高くなるとされています。
酸性を嫌う樹種、湿気を嫌う樹種にはマッチしないでしょう。
3.桐生砂
桐生砂も、盆栽に多く用いられる用土です。
- 中性
- 保水性は弱め
- 高い排水性
桐生砂は、単体で盆栽用土として用いられることはあまりありません。
赤玉土8に対し、桐生砂2程度の割合で混ぜ合わせたものが多く利用されます。
排水性の良さから、鉢底に敷く砂として用いられることが多くあります。
4.黒土
黒土とは、火山灰に枯れた植物が混ざったものです。
有機物が含まれていますので、与える肥料の持ちがよい、というメリットがあります。
- 弱酸性
- 高い保水性
- 排水性は低い
排水性や土中通気性を求める樹種には向いていないのが黒土です。
雑木類と呼ばれる樹種、保水性が必要なミニ盆栽に用いられることはあります。
5.腐葉土
腐葉土とは、文字通り落ち葉などが腐敗したもので、チッソやカリウム、リンなどが多く含まれています。
- 中性
- 保水性は高め
- 有機肥料と捉えることができる
腐葉土は、落ち葉などが主成分ですので、有機物たっぷりという特徴があります。
ですが、腐葉土を盆栽用土に加えたからといって、すべての養分を賄えるわけではありません。
盆栽用土の作り方
盆栽の用土は、樹種に合った割合で混ぜ合わせて作ります。
土の準備は、そのまま盆栽の育て方にも大きな影響を与えますので、樹種に合った土を選び、混ぜ合わせなければなりません。
- 広葉樹(葉物類)
- 松柏類
- 花物類
- 実物類
上の4つの種類に適した用土の作り方をご紹介します。
1.広葉樹(葉物類)
ケヤキやカエデ、モミジなどの広葉樹(葉物類)は、どちらかというと保水性を重視します。
そのため、黒土を中心とした土の作り方をします。
- ケヤキ/カエデ/モミジ=黒土4:赤玉土3:腐葉土2:桐生砂1
- カシワ/ブナ=赤玉土5:黒土3:桐生砂2
- ハゼ/イチョウ/クワ=黒土5:赤玉土2:腐葉土2:桐生砂1
2.松柏類
マツなどの松柏類は、水はけのよい用土を好みます。
水はけ重視のため、赤玉土や桐生砂を中心とした土の作り方をします。
- クロマツ=赤玉土6:桐生砂4
- アカマツ/ゴヨウマツ/エゾマツ=赤玉土7:桐生砂3
- シンパク=赤玉土5:桐生砂5
3.花物類
花を楽しむ樹種は、土の好みがそれぞれ異なります。
樹種にマッチした用土を準備してください。
- サクラ=黒土3;赤玉土4:桐生砂3
- ウメ=赤玉土4:黒土4;桐生砂2
- フジ=黒土3:腐葉土3:鹿沼土2:赤玉土2
- ツバキ=黒土6:赤玉土3:砂1
4.実物類
実をつける様を楽しむ樹種もまた、土の好みが違います。
最近はミニ盆栽でも実のなる樹種が人気ですので、植え替え時期には土の準備が必要かもしれません。
- ヒメリンゴ=黒土3:赤玉土4:腐葉土2:桐生砂1
- カキ=黒土4:赤玉土3:腐葉土2:桐生砂1
- ナンテン=赤玉土6:黒土2:腐葉土1
盆栽用の土を自分で作るなら
盆栽用の用土は、上のように樹種に合わせて自分で作ることができます。
ただ、必要な用土をいくつも揃えなければならないこと、配合比率を間違わないことに注意が必要です。
必要な土が揃ったら、上で触れたとおり、樹種に適した土の割合を守りながら、しっかり混ぜ合わせます。
そのうえで、植え替えなどの作業に取り掛かりましょう。
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そのようなときは、盆栽用の土を買った方が安心です。
たとえば、次のような商品です。
初めから盆栽用としてブレンドされている土ですので安心です。
また、いろいろと品物を揃える必要はありません。
特に、ベランダなど限られたスペースで盆栽を育てている方にとって、園芸用品が増えてしまうのは大変なことです。
盆栽専用の土は、この問題も解決してくれます。
まとめ
盆栽にとって、土は土台ですし、水分や栄養を吸収するために大事なものです。
ですが、どの樹種にも同じ土でよいわけではありません。
土づくりは、あなたの大事な盆栽を育てるうえでとても重要です。
特に植え替えなど、盆栽にとってとても大事な環境を大きく変えてしまう場面において、土の担う役割を考えると、「何が最適なのか」といった疑問もわくことでしょう。