「銀杏(いちょう)は盆栽で育られるの?」
「落葉樹の中でも、黄金色に葉の色が変わる銀杏が好き」
そんなあなたは今、銀杏を盆栽で育てる方法を調べていませんか?
銀杏は盆栽として育てることができます。
売っている銀杏の盆栽を買ってくるだけでなく、銀杏並木や公園に植えられている銀杏から落ちた実を拾ってきて種から育てるという方法もあります。
今回は、銀杏という木の特徴や、盆栽として育てるときの手入れ法、日々の成長を楽しめる「実生」についてご説明します。
どうぞ最後までお読みください!
銀杏とは?どんな性質なの?
銀杏は、イチョウ目イチョウ科イチョウ属の植物で、中国から日本に渡ってきたものとされています。
日当たりと風通し、水を好み、比較的丈夫ですので盆栽初心者にもおすすめです。
銀杏は、春にはみずみずしい新緑を、秋から冬には黄金色の葉を楽しめますし、根をしっかり張るうえに火災に強い(延焼防止の役割を果たす)ので、街路樹として多く見ることができます。
銀杏は、茶わん蒸しの具などに使われる「ギンナン」の実を付けますが、これは樹齢30年以上になってからです。
また、銀杏の木は「雄(オス)」「雌(メス)」に分かれています。
「銀杏は好きだけど、実のニオイが嫌い」という方も、盆栽の銀杏に実がなることはめったにありませんので安心してください。
もしも、既に盆栽仕立てとなっている銀杏を購入したいのなら、次のような商品がよいでしょう。
銀杏の日々のお世話方法
上で触れた通り、銀杏は日当たりや水を好みます。
この点を踏まえながら、季節ごとに置き場所や水やりの方法を変えてベストな状態を保ってください。
銀杏の春のお世話
3~5月は、銀杏の葉が出て「新緑」を楽しめる時期ですし、成長も著しい頃です。
しっかりと日に当て、水を切らさないようにしましょう。
春の水やりは1日に1~2回です。
土の状態を観察し、土の表面が乾いていると感じたらたっぷりと水をあげましょう。
銀杏の夏のお世話
6~8月は、強い日差しの当たらない場所に置き、春より水切れに注意をしなければなりません。
特に昼から夕方にかけて、ジリジリと照り付ける日差しを避けると安心です。
置く位置を考えたり、必要に応じてすだれやオーニングを取り付けて葉焼けを防止したりしてください。
盆栽は土の量が少ないので、夏は水の蒸発も心配です。
水切れを起こさないよう、1日に2~3回の水やりが必要です。
朝に1度、夕方に1度と覚えるとよいでしょう。
そして、できれば夕方に葉水(葉に水をスプレーすること)をすると葉を守る意味で安心です。
銀杏の秋のお世話
9~11月は、再度日当たりのよい場所に戻しましょう。
水やりも1日に1~2回を目安にします。
秋になると、銀杏の木もそろそろ紅葉や落葉の準備を始めます。
美しい葉色を楽しむため、夏場のお世話で失敗しないよう注意しておきましょう。
銀杏の冬のお世話
12~2月は、日当たりの確保と同時に、水やりの回数を減らします。
冬の間の銀杏は休眠期に入っていますので、さほど水を多く必要としません。
用土の状況次第ですが、2~3日に1度の水やりで十分でしょう。
夜間から早朝、または日中にかけて氷点下となる天気予報を見たなら、用土が凍るのを避けるために「ムロ入れ」します。
発泡スチロールの箱や蓋をぱっと開けられる衣装ケースが便利です。
氷点下にならない暖かい日は蓋を開け、日当たりを確保できるからです。
銀杏の特別な手入れ
他の盆栽同様、銀杏にも季節ごとに特別な手入れが必要です。
木の成長を促すもの、樹形を整えるものなど、目的は違ってもそれぞれ大事な手入れです。
手入れの目的や方法、適したタイミングをご紹介します。
銀杏の手入れ│剪定
銀杏も、他の盆栽樹種と同様に剪定が必要です。
ですが、あまり神経質に考えなくても大丈夫です。
新芽が出始める3月頃、ひとつの枝に2~3芽を残して芽を摘みあまり枝が伸びないようにしましょう。
他に、不要と感じられる枝やヒコバエ(樹木の根元から生えてくる小さな枝)もこの頃に剪定します。
基本的な剪定の方法は、
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- 幹のトップ部分を切り詰める(枝は数本残す)
- 太い枝のトップ部分を切り詰める(小枝は数本残す)
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です。
これを毎年行えば丈は抑えつつも枝数を増やせますので、どっしりとした印象のシルエットを作り上げることができます。
枝をカットするときは、切れの良い小枝切鋏や芽摘み鋏を使ってください。
切り口が荒れていると、そこから雑菌が入り、銀杏の木を傷めてしまいます。
銀杏の枝をカットするときは、次のような商品が便利です。
兼進作 盆栽用 小枝切鋏 全長180mm No.35Eもし、カットした部分から雑菌が入ることが心配なら、保護剤を塗りましょう。
銀杏の手入れ│針金掛け
銀杏は真っ直ぐに伸びる特徴を持った樹種ですので、基本的に針金掛けはしません。
ですが、「やはり盆栽、少しは好みの形に仕上げたい」と思われるときは、曲げすぎないよう注意しながら、慎重に作業をしてください。
というのも、銀杏の幹や枝は若いうちは柔らかいので、形は付けやすいものの、折れやすいからです。
幹や枝が固まる前に針金をかけ、少しずつ形を付けるようにします。
とはいえ、針金掛けが全く不要なのかといえばそうでもありません。
幹をしっかり曲げると、枝の根元から新しく目が出る「胴吹き」が起きるのです。
小さいながらもしっかりとした銀杏の盆栽にしたいなら、針金掛けをしてみるのもよいでしょう。
針金掛けを検討しているときは、次のような道具を購入してみてください。
自然 アルミ(盆栽)針金 白 150g 3.0mm フジ矢(Fujiya) ピンセットラジオペンチ 極細仕様で精密作業に最適 (バネ付・ギザ無) 150mm MP7-150銀杏の手入れ│植え替え
銀杏は成長が早いので、根詰まりを起こす前、芽吹きが始まる前の2~3月末までに植え替えをします。
特にミニ盆栽の場合、どんどん成長しようとする若木のはずですので、1~2年に1度は植え替えをしなければなりません。
まず土を落としますが、根の先の3分の1程度程度にとどめます。
長い根ならあまりカットせず、根を巻くように鉢に収めましょう。
太い根の場合はカットしますが、浅い鉢にしっかりと張る根も銀杏の魅力のひとつです。
根を巻きながらも、見せたい部分は根を広げて植えなおすのが銀杏の植え替えのコツです。
銀杏の植え替えには、次のような商品が適しています。
植え替えに必要な道具がセットになっていますので、あれこれ悩まずに植え替えに取り掛かれます。
盆栽ツール 園芸用はさみ 盆栽道具セット 耐久性 ガーデン 庭 盆栽ツールキット植物のケアのため16点セット銀杏の手入れ│施肥
成長スピードの速い銀杏は、太陽や水だけでなく、肥料も求めます。
4~10月(真夏を除く)に、月に1度のペースで施肥しましょう。
葉の色を維持したい銀杏には、リンやカリ成分を多く含む肥料が適しています。
たとえば、次のような肥料が適しています。
朝日工業 リンカリ肥料 500g銀杏の手入れ│実生・挿し木
これは、どちらかというと手入れではなく「銀杏の木を手に入れる方法」ですが、実生や挿し木も覚えておくとよいでしょう。
「実生」は銀杏の実を植えて芽が出るのを待つ方法です。
公園や街路樹沿いに落ちているギンナンを拾い、外側の柔らかい実の部分を取り除きます。
その種を土に植えて2~3年待つと、愛らしいサイズの銀杏の木が手に入ります。
銀杏の「挿し木」は、大きくなった樹木からカットした枝(長さ15センチ以上・直径2センチ以上)を利用し、土に植えて発根させる方法です。
切り口は斜めにし、赤玉土に深めに植えて、用土が乾かないように常にチェックしましょう。
実生も挿し木も、2~3月末までに済ませておくと安心です。
まとめ
銀杏の盆栽は、街路樹のような風情をミニチュアで楽しめる魅力があります。
秋冬には珍しい黄金色の葉を楽しめますし、何より盆栽初心者にも育てやすい丈夫さがうれしいものです。
銀杏は、盆栽そのものに興味がある方にもおすすめしたい樹木です。
「これから盆栽を始めたい」という方は、銀杏から取り組んでみてはいかがでしょうか。