あなたは、コナラという植物に興味がありますか?
コナラは、「秋の紅葉狩りが毎年の楽しみ!」という方におすすめです。
では、コナラを盆栽で楽しむにはどのような育て方をすればよいのでしょう。
この記事では、コナラという植物の特徴や、コナラを盆栽で楽しむための育て方についてご説明します。
コナラとはどんな植物?
コナラはブナ科の植物で、落葉樹です。
日本中の雑木林に自生する生命力の強い樹種で、新緑や紅葉を楽しむことができます。
目立ちにくいものの花が咲きますが、雄花・雌花が別の「雌雄異花」という点も面白い植物です。
日当たりや風通しの良い場所を好み、成長も早いのですが、水やりに神経質になる必要はありません。
この点から、コナラは盆栽初心者や盆栽入門者におすすめです。
コナラの最大の魅力は、なんと「どんぐり(実)」も楽しめること。
ミニ盆栽では難しいですが、ある程度大きく育てた木ならどんぐり(実)を付けることもあります。
気長にコナラの成長を楽しみたいときは、山林や公園で拾ったどんぐりを鉢に植え、次の春の発芽を待つ、という方法もあります。
コナラをどんぐりから育てる方法は、次の動画が参考になります。
コナラ盆栽の手入れ・年間スケジュール
コナラを盆栽で楽しむには、季節ごとに特別な手入れが必要です。
コナラは成長が早いという特徴がありますので、盆栽として育てるために季節ごとの手入れは欠かせません。
コナラ盆栽・春の手入れ
3~5月は、コナラにとって成長著しい時期ですので、
- 芽摘み
- 施肥
という手入れが大事です。
芽摘みは、小枝を増やし、樹形を整えるために必要です。
特にコナラのミニ盆栽を購入し、大きく育てたいときは、芽摘みが重要です。
芽摘みをすると、不要な枝が出るのを予防できます。
針金掛けせずにある程度好みの樹形にすることができるのです。
また、成長が早いコナラをあまり大きくしたくないとき、成長点(芽)を摘んでしまうことで巨大化することを抑止できます。
芽摘み(芽かき)の方法については、次の動画が参考になります。
成長に伴い、コナラが肥料を欲するのもこの頃です。
肥料を与えすぎると、枝が徒長しすぎますのであまり多くしないのがポイントです。
油粕がベストですが、ニオイなどの問題があるようなら、次のような肥料で代用しましょう。
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6~8月は、コナラの樹形を整えるため、剪定をします。
コナラの盆栽がまだまだ小さいうちは、枝を増やすことに注力するため芽摘みで対処します。
ですが、コナラの木が大きくなってきたら、剪定をして樹形を整える必要がでてきます。
コナラは成長力たくましい樹種ですので、育てたい脇芽は残し、不要な徒長枝を剪定するのです。
夏場の剪定は、「必要以上に大きくしない」ためにも重要です。
2月頃、12月頃にも剪定することができますが、この時期の剪定はどちらかというと「葉のない状態でこれからどのように育てたいか」という面から育て方を検討する意味があります。
コナラに限らず、剪定するときは切れ味の良いはさみが必要です。
切れ味の悪いはさみで枝を切ると、樹液を運ぶ管を押しつぶしたような断面となり、そこから水分や病原菌が入り込みやすくなるからです。
はさみの刃の部分にカットした枝の菌がついたままにしないよう、使用した後はしっかり消毒しましょう。
はさみに切れ味や抗菌性を求めるなら、次のものがおすすめです。
また、カットした断面から水分や病原菌が入り込むのを防ぐ必要がありそうなら、次の商品を使いましょう。
新キヨナール 100gコナラ盆栽・秋の手入れ
9~11月は、コナラの夏の疲れをねぎらうため、施肥をします。
これは春の手入れと同じです。
コナラ盆栽・冬の手入れ
12~2月の間は、コナラは休眠期に入っていますので、
- 植え替え
- 剪定
- 針金掛け
などの手入れをします。
特に植え替えは重要です。
成長の早いコナラですので、鉢の中で根詰まりを起こしやすいのです。
若い樹木は毎年植え替えが必要となるでしょう。
大きく育てたいときは大きな鉢に、小さいまま育てたいなら詰まった根を整理して同じサイズの鉢に植え替えをします。
コナラは「ゴボウ根」といって、太くまっすぐに伸びる根があります。
植え替えするときは、この太い根もしっかりカットしましょう。
細い根をていねいにほぐし、残しておけば、枯れることを回避できます。
太い根を切るはさみと、根をほぐす根かきを手に入れて、やさしく手入れしてください。
植え替えに必要な商品がセットになったものもおすすめです。
コナラ盆栽の毎日の育て方
コナラは、育て方もさほど難しくない樹種です。
しかし、上の年間スケジュールとともに、日々のお世話もとても大事です。
盆栽として育てるということは、限られた用土(土)や小さな鉢の中で生きてもらうということ。
その点から、毎日の育て方もとても重要です。
では、季節ごとの日々のお世話についてご説明しましょう。
春のコナラの育て方
3~5月の春は、積極的に日に当て、1日に1~2回の水やりが必要です。
一番成長する時期ですし、葉の色や数に影響しますので、日光と水が欠かせません。
夏のコナラの育て方
6~8月の夏は、日当たりに注意しながら、1日に2~3回水やりをします。
太陽の光が大好きなコナラですが、ジリジリとした強力な日光、特に西日は苦手で葉が焼けてしまうことがあります。
できれば、夕方の日に当たらないよう置き場所を工夫したり、すだれなどを利用して西日を遮断する工夫をしたりしてください。
もしも最適な場所が見つからないなら、室内の明るい窓辺(半日陰)に取り込む必要があるかもしれません。
水やりの時間帯ですが、朝早くと、夕方の日が落ちた頃が最適です。
日中日差しが強い時間帯に水やりをしてしまうと、鉢に蓄えられた熱で根を傷めてしまうかもしれません。
葉を大事に育てるために、夕方に葉水(スプレーで葉にみずをかけること)をしてください。
特に葉の裏をめがけてスプレーしてください。
葉水は、アブラムシやコナジラミの発生を抑制しますし、害虫の排泄物により発生するすす病を予防する効果が見込めます。
もしアブラムシなどの虫や病変を見つけたら、葉水で対処するのは難しくなります。
必要に応じて、薬剤の使用も検討してください。
【秋】コナラの育て方
9~11月の秋は、再度積極的に日に当て、1日に1~2回水やりをしましょう。
初秋はまだまだ害虫の動きも活発ですので、葉水を与えながら葉の状態を観察して、適宜防虫/除虫の薬剤を使用します。
【冬】コナラの育て方
12~2月の冬は、2~3日に1度、表土が乾いてから水やりをします。
霜が降りる頃になれば、土が凍ってしまうことを予防するため、ムロ入れをするとよいでしょう。
発泡スチロールの箱などに鉢を入れ、土が凍ってしまうのを予防するのがムロ入れです。
ムロ入れは土が凍ることを防ぐ意味がありますが、氷点下にならない日中は蓋を開け、日に当ててください。
「ムロ入れしているから大丈夫」と安心していると、日当たりの確保や水やりを忘れてしまうことも考えられます。
少なくとも数日に一度は箱を開け、コナラの状態を確認してください。
発泡スチロールの箱の暖かさで、気づかぬうちに虫が湧いていたり、病気にかかっていたりすることもあります。
そのようなトラブルを未然に防ぐためにも、暖かい日中は箱を開け、水やりをしたり、葉や幹/枝の状態を確認したりしてください。
まとめ
コナラは、新緑が美しく、紅葉したり、ときにどんぐりがなったりと、とても楽しい植物です。
また、コナラは、盆栽仕立てにするにしても他の樹種と比較して育てやすいという点で、「これから盆栽を始めてみようかな」と思っている方におすすめです。
盆栽の基本的なことが学べますし、基本的に針金掛けせずに樹形を整えられますので、盆栽初心者の方はぜひコナラからチャレンジしてみてください。