日本庭園にも欠かせない竹も、盆栽として楽しむことができます。
太陽を目指すようにしゅっと伸びた竹の姿は凛々しく、一方、葉はすらりとしていて今にも風になびきそうな印象。
あなたのもっているイメージは、「京都の竹林」かもしれませんね。
そのイメージをミニチュアにした竹の盆栽は、とても魅力的です。
「育て方が難しいんじゃないの?」
「盆栽に適した品種は何?」
そんな疑問から竹の盆栽にチャレンジできずにいる方に、竹の育て方やコツ、年間を通した世話の仕方など、詳しくご説明いたします。
ぜひ、参考になさって、「竹との暮らし」をかなえてください。
竹とは?どんな特徴を持ってるの?注意点は?
竹の盆栽は、水の管理、日当たりの調節がとても大事です。
竹は、日光を好む一方、西日などによる乾燥に弱いという特徴があり、多くの水を欲するのです。
また、竹は、花から実ができ、地面に落ちて芽が出るのではなく、地下茎で広がります。
このため、品種によっては、根がすぐに張り、鉢を割ってしまうこともあります。
加えていうなら、一般的に「竹」と呼ばれるもののなかには、パンダが食べる「笹(ササ)」も含んでいて、品種がとても多いのも特徴のひとつでしょう。
盆栽や鉢植えに向く品種はどれ?サイズはどれくらい?
画像出典:https://www.bonsaimyo.com/products/detail295.html
盆栽や鉢植えに適した品種は、小型の「矢竹」や「姫竹(ヒメタケ/ドワーフバンブーという名で売られていることもあります)」です。
価格も、商品によっては3,000円~5,000円程度と、手ごろなところも魅力でしょう。
矢竹や姫竹は、どれだけ大きくなっても2~3メートルくらいで、私たちのイメージする「竹」よりも小さいサイズです。
実際に、苗もの屋さんやホームセンター、ミニ盆栽専門店で販売している矢竹や姫竹は、高さが20~35センチのものが一般的なサイズです。
竹のなかでも、特に繊細な印象の品種で、あなたも「手入れしやすそう」と思われるでしょう。
また、他の竹類と違い、さほど根を多く張らないのも、手入れしやすいポイントです。
竹の盆栽作りに必要なもの
竹を盆栽や鉢植えで育てるときに必要なものは、以下の5つです
- 水を貯える、粘り気の強い土(腐葉土2:赤玉土5:川砂3の割合がベスト)
- 盆栽用器もしくは鉢
- 固形肥料や液体肥料
- 剪定用のはさみ
- 根切り用のはさみ
特に重要なのは、盆栽の器という小さなスペースで育てながらも、「水が好き」「地下茎で繁殖することを阻止する」というポイントを満たすための「土」と「根切りはさみ」でしょう。
ですが、最初から盆栽として仕立てられている商品を買うのであれば、ハサミ類と肥料があれば大体の準備は完了です。
では、「竹のお世話」は、具体的にどのようにすればよいのでしょう。
竹の盆栽の日々の手入れ
ここからは、竹の盆栽(鉢植え)の世話や、季節ごとの手入れについてご説明します。
竹の盆栽の日々のお世話
竹の盆栽のお世話は、主に「置き場所の管理」と「水やり」です。
竹の盆栽は、日当たりの良いところで育てる
竹はしっかり日に当たるところで育てます。
竹は日当たりを好みますし、耐寒性も強いものがほとんどだからです。
ですが、繊細な葉は夏場の強い西日で乾燥してしまいますので、夏の間は日の当たり方に注意をしましょう。
もし、冬場も葉を楽しみたいなら、明るい窓際に置いてください。
そして、乾燥を防ぐために、エアコンやファンヒーターの風が直接当たらないよう工夫をしてください。
竹の盆栽への水やり
竹の盆栽を育てるときは、しっかり水を与えるようにします。
竹は水を好みますので、土の質(水を蓄えておける粘り気のあるもの)も吟味し、水切れさせないように注意しましょう。
できれば、土の表面が乾き始める前に水を与えるようにすると、水切れの心配は減ります。
特に、夏場は土の状態をしっかり確認し、水切れしないようたっぷりと水を与えてください。
水やりの目安は、次の通りです。
冬季=2~3日に1度
春/秋=1日1度
夏=1日2度
いずれも、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり水やりをします。
次は、竹盆栽の手入れの年間スケジュールについてご説明します。
竹盆栽の手入れ「年間スケジュール」
では、竹の盆栽の年間の手入れ方法をご紹介します。
次の表を見てください
この図でもわかるように、注意するべき点は、「肥料」と「害虫/病気防止」、「剪定」です。
特に「害虫/病気防止」は、日々の観察がとても重要です。
必要に応じて、「ベニカスプレー」などを使用しなければなりません。
肥料は、成長著しくなる春、一旦成長を終える秋に与えます。
梅雨どきや真夏には、施肥は行いません。
竹の盆栽の植え替えと剪定
品種にもよりますが、竹はとても根の成長が早いので、適宜植え替えをします。
そして、必要以上に大きなサイズにならないよう、剪定をしなければなりません。
竹の盆栽の植え替え
盆栽に仕立ててある竹の植え替えは、2~3年に一度を目安に行います。
ですが、あまり大きくしたくないのであれば、「根かき」を使い丁寧に根をほぐし、色変わりした根をカット、元の器に入る程度に「根切りばさみ」で切り詰めてから植え替えします。
もし、矢竹や姫竹のようにあまり根を張らないタイプでなく、成長力旺盛な品種の場合、植え替えの頻度はもっと多くなるでしょう。
竹の盆栽の剪定
竹を盆栽で楽しめる高さは数十センチ程度ですので、必要に応じて剪定します。
葉が充実してきたころ、つまり初夏に好みの高さまで切り込みましょう。
そうすると、根元から新芽(タケノコ)が出てぐんぐん伸び、元気よく、かわいらしい姿になります。
竹の盆栽は、相談できる生産者から購入する
竹の盆栽は、取り扱っている生産者に相談しながら育てるのが一番です。
竹の盆栽に関する書籍はなかなか見つかりませんし、役に立ちそうな動画を発見することも難しいからです。
そもそも、竹は他の樹木と同じように大地で育つもの。
また、根をどんどん張り巡らし、知らぬ間に成長する範囲を広げてしまうという、他の樹木と異なる性質をもっていますので、特殊といってもいいでしょう。
対面、もしくはメールや電話で相談できる生産者から竹の盆栽を購入することが、とても重要なことがお分かりいただけるでしょう。
まとめ
竹の盆栽は、「和」を感じさせてくれますし、品種によっては「アジアンテイスト」も楽しめる素敵なものです。
ですが、竹は「地下茎を張り巡らす」という特性から、育て方にコツが必要なものでもあります。
いつも美しい姿を保ちたいなら、生産者が直接販売しているネットショップ、近隣の盆栽店などで購入しましょう。
相談できる先があれば、困ったときもすぐに対処できます。