あなたが盆栽に興味を持ち始めているなら、「どんな種類があるの?」「育てやすいおすすめの樹木は何?」と思っていらっしゃるのではないでしょうか。
盆栽にはいくつもの樹種があります。
初心者なら、好みだけでなく、日光が入りやすいかなどあなたのお部屋の状況や、育てやすさにも注目していただきたいと思います。
さて、あなたが選びたくなる樹種はどれでしょう。
人気度や樹木の特徴などから、「おすすめの一品」を選んでみてください。
初心者におすすめの盆栽の種類
初心者の盆栽選びのポイントに、「育てやすさ」があります。
はじめての盆栽で失敗してしまわないよう、無理なくお世話ができる樹種を選んでください。
比較的育てやすい樹種をご紹介します。
松
松は、「The盆栽」といった印象もあり、人気のある樹種です。
さらに盆栽としても育てやすい特徴から、おすすめしたいもののひとつです。
松といってもいくつか種類がありますので、それぞれの人気のポイントについてみていきましょう。
五葉松
マツ科マツ属の五葉松は、そもそも丈夫で育てやすい樹木です。
日当たりと風通しを好みますので、ベランダや庭などしっかり日が当たる場所を確保してください。
どうしても室内に置かなければならないときは、南向きの窓際ギリギリに置き、半日陰の環境を作ります。
そして、数日に1度、数時間は直接日光に当てるようにしましょう。
黒松
マツ科マツ属の黒松も、育てやすいことで知られています。
五葉松と同じように、日当たりと風通しを好む樹木です。
ですが、黒松は半日陰でも耐える特性がありますので、日中日に当てることが難しい方にはおすすめしやすい樹種といえます。
それでも、ときどきは日光浴をさせてあげてください。
トド松
マツ科モミ属のトド松は、寒冷地(北海道)で自生している樹種です。
一見「これが松なの?」という、すらっとした姿をしているのが特徴でしょうか。
トド松のおすすめポイントは、真夏の直射日光や暑さが苦手というところです。
基本的に半日陰で育てることができますので、日の入る窓際に設置スペースがあればそこでも十分に成長を見守ることができます。
梅
梅は、花が咲きますので、より季節を楽しみたい方におすすめです。
樹種によっては花が香ります。
鼻でも「春が来たな」と実感できることでしょう。
花が終われば葉が出て、秋には落葉します。
この梅にもいくつか樹種があります。
梅
バラ科の梅は、幹の力強さやしっかりとした花つきで人気です。
暑さや寒さに強いので、日当たりや風通しを確保できる場所に置いてください。
バラ科らしく、水が好きという特徴がありますので、水の管理はしっかりと行わなければなりません。
長寿梅
バラ科ボケ属の長寿梅は、育てやすさもさることながら、条件さえ整えば春と秋の2度花を咲かせてくれるというポイントでもおすすめです。
日光を好みますので、可能な限りベランダや庭でたっぷり日を浴びられるようにしてください。
ですが、半日陰にも耐えてくれます。
水を好みますので、花の時期や夏場は、しっかりと水やりをしてあげましょう。
紅紫檀(ベニシタン)
バラ科の紅紫檀(ベニシタン)は、そもそもあまり大きくならないので、たとえばミニ盆栽として小ささをキープするときも、他の樹木ほど苦心することはないでしょう。
常緑樹であること、花が咲くこと、実が付くことで、季節ごとに違う表情を見せてくれるのが楽しみのひとつです。
できれば日光の当たるところに置いておくのがベストですが、半日陰でも育てることはできます。
誤って強めに剪定してしまっても花をつける力はほとんど衰えませんので、盆栽初心者が手入れ方法を学ぶのにも適しています。
数多くある盆栽の種類から好みで選択する
盆栽として仕立てる樹木は多くあります。
ここまでは「育てやすさ」を中心に、初心者におすすめの樹種をご紹介しました。
ここからは、「好み」で選ぶポイントについてみていきましょう。
常緑樹〜年間を通して緑を楽しみたい方に
年間を通して葉をつけたままのものを「常緑樹」といいます。
もちろん、季節ごとに葉の状態は変わりますが、「いつでも緑を楽しみたい」という方には魅力的でしょう。
「松」が代表的な盆栽用樹種です。
花をつける〜年に一度大きな楽しみを味わいたい方に
「せっかくなら、花で季節を感じたい」と思われるあなたには、花の咲く樹種がおすすめです。
中にはかすかながら香りを放つものもありますので、より多くの面で季節を感じられるでしょう。
- 桜
- 梅
- 長寿梅
- 藤
- 野イバラ
- 百日紅(サルスベリ)
- 香丁木(コウチョウギ)
- 睡蓮木
- 椿
などが、花を楽しめる樹種です。
紅葉する〜季節を室内でも感じたい方に
「季節を感じられる盆栽の種類はどれ?」というあなたには、紅葉する樹種もおすすめです。
春にはみずみずしい緑を、夏にはくっきり鮮やかな緑を、秋には黄や赤の葉を、そして冬には落葉…。
樹木全体で季節を感じさせてくれるのが、紅葉するものです。
- モミジ
- カエデ
- イチョウ
- ハゼ
などが、紅葉を楽しめる樹種です。
実がなる〜かわいいインテリアとして
「せっかく木を育てるなら、実がなったらもっとかわいいだろうな」と思ったあなたには、実のなる樹種の盆栽もおすすめです。
「えっ、こんな実がなるの」と驚かれるかもしれません。
- リンゴ
- サクランボ
- カキ
- マンリョウ
- クチナシ
- 真珠の木
これらが、実のなる木の代表的なものです。
ほとんどのものが、実に先駆けて花も楽しめるのです。
葉の変化で感じる四季とは違い、季節それぞれに花や実をつけていく面白さがあります。
まとめ
近年、盆栽は世界に広がり、古来からの「盆栽らしい盆栽」の枠を超えています。
そのことも手伝ってか、盆栽の木の種類は多いものです。
「これから植物を育てたい」「盆栽はどうかな」と思われているあなたにとって、選択ポイントはどこだったでしょうか。
育てやすさ、花をつける/紅葉するといった樹木の性質…。
選びたいものはありましたか?
盆栽は、自然の樹木のミニチュアです。
世話に多少手間はかかっても、その分かわいく感じるものでしょう。
いろいろと見比べ、手入れの仕方も調べて、あなたに合った盆栽を探し当ててくださいね。