もみじを盆栽で楽しむ方法は?育て方の年間スケジュールをご紹介!

もみじの盆栽の写真

もみじは、四季を葉の変化で感じさせてくれるすてきな樹木です。

もみじは、春はみずみずしく淡い緑の葉、夏は力強い濃緑、秋は紅葉、冬は落ち葉と、刻々と変化していきます。

もしあなたが、「毎年紅葉狩りに出かける」というほどもみじが好きなら、もみじの盆栽にチャレンジしてみてはいかがでしょう。

今回は、盆栽初心者の方にもわかりやすく、もみじを盆栽で育てる方法をご紹介します

育て方の参考にして、家でも「紅葉狩り」を楽しんでみてください。

目次

もみじとは?もみじの特徴は?

山もみじ 藤久作手造り鉢

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モミジは、カエデ科カエデ属の植物で、日当たりと風通し、水を好みます。

日光を好む一方、強烈な夏の直射日光に弱い面を持っています。

比較的育てやすいもみじですが、害虫が寄ってきやすいという面がありますので、丁寧に観察して対処しなければなりません

ちなみに、植物の分類上ではカエデと区別はされません。

私たちの目で見て分類しているのです。

たとえば、まるで赤ちゃんの手のように見えるものなら「モミジ」、カエルの手のように見えるなら「カエデ」と呼んでいます

もみじの育て方スケジュール

樹種によって年間の手入れスケジュールは違います。

もみじは、カエデ科カエデ属に適した育て方をしなければなりません。

もみじの手入れ法を、季節に分けてご説明します。

冬~新春

樹木の勢いが落ち着いている落葉後、芽が出始める前に、剪定をします。

もみじの剪定

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もみじの新芽が見え始めたら、徒長枝(とちょうし)を剪定します

芽が見え始める時期は、枝の状態が見えやすいですし、これからどのように芽が出るのかがイメージしやすいので剪定に適しているのです。

徒長枝(とちょうし)とは、葉のあった頃のシルエットから飛び出している枝のことです。

徒長枝は、どんどん葉を増やして成長しようとする自然な現象ですが、美しさの点ではありがたいことではありません。

あまりにも姿が乱れるようなら思い切って切ってしまいましょう。

春~夏前

3月から5月頃までには、モミジも成長期に入ります。

この頃に行っておく作業は、植え替えや芽摘み、葉刈りです。

もみじの植え替え

もし、根元に貼ったコケが避けてきたり、鉢の底から根が見えるようになってきたりしたら、植え替えを考えましょう

根が鉢の中で満杯になると、上のようなサインが現れるからです。

植え替えをするなら、遅くとも3月中に済ませておきます。

通常、もみじの植え替えは2~3年に1度でいいとされていますが、個体差もありますので水やりのときに鉢の裏まで観察してください。

同じサイズの鉢で育てたいなら、用土を丁寧に落とし、色が不自然な根を見つけてカットして植え替えします

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もみじの芽摘み

もみじの芽がしっかりと確認できるようになったら、「芽摘み(めづみ)」をします

これから先、「この方向には伸びてほしくないな」と思う芽を丁寧にピンセットで取り除いておくことで、シルエットの崩れを予防するためです。

成長期の剪定は樹木にダメージを与えますので、芽摘みで対処します。

強引に引っ張るのではなく、芽を丁寧に開いて、真ん中にある芯(芽)を摘みましょう。

こうすれば、その芽は成長することはなくなりますので、成長期に無理に剪定をしてもみじを弱らせることがなくなります

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もみじの葉刈り

6月頃には、「葉刈り(はがり)」が必要です

新緑シーズンの1番目の葉は、「サイズがバラバラ」「枚数が少ない」という問題が生じるからです。

1番目の葉をカットすると、2番目に出てくる葉が多くなる性質を利用して、「葉刈り」を行います。

おおむね出そろった葉のすべてを、葉柄の途中でカットする「全刈り」は最も効果的ですが、その分樹木に与えるダメージも大きいものです。

ミニ盆栽の場合、避けた方が無難といえます

ミニ盆栽の場合は、「最初に出た、あからさまに小さな葉だけ」を葉柄の途中からカットすることで対処も可能です。

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高温多湿の日本の夏は、樹木にとって病気が起きやすい環境です。

もみじの場合も、夏の手入れ次第では、葉が全滅することもあります。

もみじの葉切り

葉の量やサイズが目に見えて大きくなる夏は、風通し確保のため「葉切り」が必要かもしれません

風通しが悪くなったり、すべての葉に十分日が当たらなかったりすると問題が起きるからです。

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たとえば、カビが原因の「うどんこ病」が発生しやすくなります。

また、葉が重なりすべての葉に均一に日が当たらなければ、美しい紅葉を期待することはできません

シルエットを構成する一番外側の葉を

  • 縦2分の1に切る
  • 葉先(とがった部分)を切る

といった方法で葉切りをし、風通しや日光の確保をしましょう。

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秋から冬

葉が落ちたら、針金かけをします。

その1年の樹形を理解できていますので、これから「どんな形に育てたいか」をイメージしやすいタイミングです。

もみじの針金かけ

冬の間に行っておきたいのが「針金かけ」

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落葉後の枝は、姿があらわでわかりやすいので針金かけに適しているからです。

「伸ばしていきたいけど、広がって困る」という枝が現れたら、針金かけで伸ばしたい方向へ導きます

過去1年で伸びたもみじの枝はさほど固くはありません。

直径1~2mm程度の細い針金があれば十分です。

針金を、対になる枝(=2本分)の2~3倍の長さに切ります。

2本の枝とその下の幹にかけ「Y」の字になるようゆるく巻き付けたあと、希望する方向へ枝を少しずつ近づけてください。

一気に方向を変えようとすると、ヒビが入ったり折れたりすることもありますので、「注意しながら少しずつ」が大事です。

その後、経過を見守りつつ、枝に食い込みそうになったら針金を外します。

※針金かけは、樹種や個体の状況によって適した方法が違います。今回は比較的簡単な例をご紹介しています。

もみじの盆栽の基本的な育て方

これまでは、季節に応じた育て方/イベントをご紹介してきました。

これから以降では、日常的な世話についてご紹介します。

冬季

モミジは比較的寒さに強い樹種です。

ですが、霜や寒風にさらされることは嫌いますので、室内の窓際(半日陰)に置くのがよいでしょう

水やりは用土が乾く前にたっぷり与えます。

頻度としては2~3日に1度が目安です。

鉢を持ち上げてみて「軽くなった」と感じたら水切れの可能性がありますので、すぐに水やりをしてください

春季

日光を好むモミジは、春季にはできるだけ日に当てます

芽が出たり枝が伸びたりしはじめますので、日光に当てると同時に肥料も欲するときです。

水やりは1~2日に1度が目安です。

成長著しい時期でもありますので、水やりの頻度が高くなっていきます。

毎日、枝や葉の裏まで観察してください

アブラムシやうどんこ病などが発生しやすいシーズンですので、トラブルの早期発見が欠かせません。

早めの対処で、葉が全滅したり、これから幹になる枝が傷んだりすることを予防しましょう。

夏季

モミジは、真夏の照り付ける日差しをあまり好みません

葉が広く繊細ですので、強烈な太陽光に葉の水分を奪われ、チリチリに縮んでしまうことがあるのです。

これらのことから、半日陰の窓際に置くのがベストです。

ですが、エアコンで湿度調節された空気が直接触れる場所は適していません。

夏季は、毎日、朝晩の水やりが欠かせない時期です。

広葉樹であるモミジは、葉からも水分を蒸発させています。

また、用土も乾きやすい時期ですので、たっぷりと水を与えなくてはなりません。

葉から水が蒸発しすぎて葉が傷まないよう、葉水(葉っぱに水をスプレーする)も有効です。

なお、真夏は肥料を与える必要はありません。

秋季

紅葉が始まって落葉するまでは、ときどき日光に当てるようにします

モミジの葉はデリケートですので、突然長時間日に当てると葉が傷んでしまいます。

1日数時間、様子を見ながら日光に当ててください

水やりは、夏季ほど必要ではありません。

1~2日に1度が目安です。

9月から11月中旬くらいまでの充実期に、改めて肥料を与えます。

ミニ盆栽のままで育てたいなら、この時期の肥料は不要です。

まとめ

もみじは、盆栽初心者でも比較的育てやすい樹種とされています。

ですが、水やりや日当たり、空調など、少し気を付けてあげなければならないポイントがあります。

そこさえうまく乗り切れれば、「室内で紅葉狩り」も夢ではないはず。

もみじの世話に必要なのは、日々の観察。

冬の間以外は、新緑から紅葉までを日々楽しめるのですから、それも苦にならないはずです。

ぜひ、お世話も含めて楽しんでください。

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